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経世済民戦線

財政出動や金融政策ではない、第3の経済政策を提案します(バナー広告が表記されますが当方とは無関係です。仮にDL表示があるバナーが出てきても無視を強く推奨します。)

人間は期待に拘束されない

(マネタリーベースの増加、インフレ期待上昇に直結せず=日銀総裁 | ロイター)

 

黒田東彦日銀総裁は23日午前の衆院財務金融委員会で、量的・質的金融緩和(QQE)の波及経路は、実質金利の低下を通じて経済にプラスの影響を与えるものとし、マネタリーベースの増加が直接的に期待インフレ率を押し上げるものではないとの認識を示した。

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 通貨量が物価に実際に影響を与えるのは、それがキャッシュフローとして流動性を伴っているときである。つまり実際に使用されている事が絶対条件。

 商品の値段を、供給側がどのように決めるかは、商品の回転率―即ち「売れやすさ」に依存している。売れていれば、財布の紐が緩いと判断し、値引きは行わなくなり緩やかに市場価格は上昇していく。(というより、売り手側が上昇させていく)

 逆に売れなければ、少しでも経費・諸費用を回収しようと、値段を下げざるを得なくなる。いわゆる「たたき売り」だ。

 消費者がどんなに貯蓄して、お金をたくさん持っていても、使わなければ物価上昇圧力にならない。

 マネタリーベースの絶対量は、経済システムの中に転がってる、何かしらの要素で上蓋がされていると、キャッシュフローにならないために、物価に影響を与えないのである。

 マネタリーベースといって、金融市場に資金を供給したつもりで、実の所、日銀の当座預金口座にお金は積み上がる一方だった。その金額は250兆円を超え300兆円に達しようとしている。

 以前に少し触れたが、日本には貸金業法十三条の二第2項に、個人に年収の3分の1を超えて資金を貸し付けてはいけない、「貸付総量規制」というものがある。

 元々、大企業は内部留保が増え、金融機関から低金利でも有利子負債を作る動機が無い。

 そして、消費市場の低迷のために、設備投資(研究開発を含)を先行しても、投資費用の回収見込みが薄いため、企業は投資を限定せざるを得ない。

 中小零細企業は主に運転資金目的の資金需要はあるが、財務諸表の評価上、貸倒懸念から融資を追加で受けるのが難しい、という状態。

 そこに、個人貸付について総量規制があるわけだ。

 融資に回る筈が無い。

 「回る理屈が無い」のだから。

 上蓋だ。

 

 今、主流派のように扱われている経済学の考え方の致命な欠陥は、お金をばら撒けば、消費性向・貯蓄性向が無条件で「自分たちの理論に都合の良いように変化する」と思っている点。しかも無自覚に。

 ありません、そんなことは。

 ゲーム理論を用いて説明するなら、「個々の消費者の消費性向・貯蓄性向は、全体の景況感を見て、後出しジャンケンをして決めている」。

 一種の「社会的ジレンマ」だ。

 事実に拘束されて動くのが、人間である。

 期待に拘束されはしない。

 特に自分の手持ちのお金が増減する問題に関してはなおさらである。