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経世済民戦線

財政出動や金融政策ではない、第3の経済政策を提案します(バナー広告が表記されますが当方とは無関係です。仮にDL表示があるバナーが出てきても無視を強く推奨します。)

所得税&法人税の2段階徴収制度

 有効需要の確保について、私が提案するのは

 「所得税法人税の2段階徴収制度」である。

 

 簡単に言うと、「一部のお金に使用期限を設けて消費を強制する」というものであり、消費性向を80%にしたり、90%にしたりだとかいったことが確実に可能になる。(要は貯蓄のし過ぎは経済全体に害悪になるので、制限しますということ)

 乱暴に受け取られるだろうが、この施策が何故必要なのか、その制度のひな形について日本の公的年金制度の財政方式の問題点と絡めて以下に詳述していく。

 なお貯蓄(現金)に課税することは一切考えておりません。日本国憲法で保障された財産権の侵害に相当すると私は考えていますので、提案しません。

 

 所得税は現在、企業の従業員の場合は源泉徴収され、日給制や時間給制で働くアルバイターや、自営業者は自己申告で納税するが、源泉徴収する税の一部を、源泉徴収せずに可処分所得にする。この源泉徴収せずに可処分所得にした分を便宜上、仮に「乙種・可処分所得」とし、それ以外の従来制度上の可処分所得を、甲種・可処分所得とする。

 乙種・可処分所得については、たとえば2年などの法定期間を定め、その期間内に使われなかった残り全てを税金として徴収する。甲種・可処分所得については従来通りの自由に使える所得とする。

 このように税制を変更すると、おそらく、税金として徴収されるくらいなら使ってしまえ、と大多数の人間が乙種・可処分所得を法定期間内に使ってしまうはずである。乙種・可処分所得の分だけ、消費者の消費活動が大きくなるので、貨幣の循環速度が速まり、経済活動が活発化する。また、有期とはいえ、可処分所得が増大するので、所得税累進率を高くしても、働いても報われないという不公平感を緩和できる

 同時に、貯蓄されがちだった所得が、乙種・可処分所得の分だけ、さらに消費活動に回されるので、過少消費(=有効需要の逓減)に陥ることも無い

 しかし、制度を実現し機能させるにあたっては、いくつか課題がある。

 

 まず、納税者の所持している、甲種・可処分所得と、乙種・可処分所得を、一体どのようにして見分けるのかということである。そのまま制度を施行すれば、納税者の手に乙種・可処分所得が渡った時点で、甲種・可処分所得との見分けがつかない。なぜなら納税者が、これは甲種・可処分所得で購入した商品である、と言っても、見分けるための証拠が無いのである。

 そこで、甲種・可処分所得と乙種・可処分所得を見分けるために、普及しつつある電子マネーマイナンバー制度との紐付け導入を検討したい。

 電子マネーとは、貨幣や紙幣といった有形物ではなく、電子的なデータの貨幣や紙幣であり、無形物である。Edy(エディ)やSuica(スイカ)が代表的な例で、携帯電話の機種によっては「おサイフケータイ」としてシステムが搭載されているものもある。

 また、マイナンバー制度は個人に番号を与えて、個人の情報を一元に管理して、行政効率を向上させる目的のものであるが、電子納税システム(e-Tax)と情報を紐付けして、脱税・無申告を防ぐこともできる。

 これら、2つのシステムを使うのであるが、具体的には源泉徴収事務を行う者が給料を与えるときに、乙種・可処分所得を電子マネーとして渡し、同時にその乙種・可処分所得のデータを電子納税システムに登録(同時にマイナンバーシステムに記録)し、期限が来たら、自動的に徴税できるようにする。

 都市部にお住まいの方なら、Suica定期やPasmo定期を使っていらっしゃる方が居るはずだ。定期部分と財布部分の違いを電子的に分けて記録し、端末にかざすだけで即座に読み取り判別し、決済されるのを日常的に体験してらっしゃるはずだ。

 アレを想起してほしい。

 所得税法人税の2段階徴収制度は、技術上は可能なのである。

 そして、電子マネーの所有は、普及が急速に進んだ携帯電話や、所持していない人には、専用の電子カードを与え、それに所有させるようにする。電子マネーを使えるように、読み取り機を普及させる。とはいえ、電子カードと読み取り機の普及には、それ相応の事前投資が必要になるので、予算確保が課題になる。

 財政破綻する前に、余裕のあるうちにできるものなら準備を終わらせたい。

 

 次に、この2段階徴収制度を導入した場合に、問題になるのは消費性向である。

 所得が十分にある場合には、使用期限のついた乙種・可処分所得だけで満足な生活が成立し、期限の無い甲種・可処分所得が貯蓄に回ってしまう可能性があるということ。

 そうなると、年功賃金的な社会において限界消費性向を考えた時に、収入が大きい者ほど消費性向が7割~6割、あるいはそれ以下になるといった事態が、多々出てくるだろう。

 そこで、「乙種・甲種可処分所得の分配率についても累進性」を設け、使用期限付きの乙種・可処分所得の割合を全可処分所得に対し、大きく引き上げる。

 そうすれば、消費性向を任意の割合で大きく固定しつつ、労働者にはお金の使用機会が与えられることで、働いても報われない、という事は無くなるのだ。

 

 ただ、金額の大きい買い物ができなくなるではないか、という指摘が出てくるだろう。指摘は当然である。

 そこで、そういう買い物をする場合は割賦販売(分割払い)を利用されたい。

 ローンという事になるので、利子を嫌う人がいるだろう。

 この点については、制度を改定して、利子が低くなるようにしていくことを目指す。

 

 また、個人の所得税のみならず、企業の法人税についても、同様に稼いだお金に使用期限を設ける。

 ただ業界による諸々の事情の違いを考慮し、業界ごとに使用期限を2~5年の違いを設けるつもりである。なお使用期限については直感に基づいたもので根拠は無い。制度導入後の経済状況の変化、出てくる問題点・課題を見ながら、適切な使用期限について検証し直し、改定することはある。

 このように一部のお金に使用期限を設けることで、過度な貯蓄を抑制し、消費を促すことで企業の本業の儲けを促し、雇用を確保し、技術の継承をさせ、持続性のある社会を構築する事が可能である。

 我が国の現在のGDPはおよそ500兆円前後で推移しているが、その内、個人消費が占める割合はおよそ6割(≒300兆円)であると言われる。

 個人消費性向を6割から8割に引き上げ、金融商品の購入が一切無かったと仮定した時、GDPの増加率は(0.8÷0.6)で×300兆円で、およそ99兆円の増加が見込まれる。

 これに法人の消費性向の増加分を加味すれば、100兆円は余裕で超えると思われる。

 ※貯蓄可能額は年額で、可処分所得の最大40%から、最大20%まで制限されます。

 ※1段階目での所得減税措置を行わずに、消費性向だけを8割に上げた場合、消費税収はおよそ8兆円増えることになります。所得税収も増えますが、計算が複雑なので割愛します。